2024年8月の記事一覧
「伝統工法による耐震補強」と「建築基準法による耐震補強」の違い ~その2~
こんにちは! 😛
今回は前回に引き続き「伝統工法による耐震補強」と「建築基準法による耐震補強」の違いについてお話したいと思います。
前回は伝統工法の耐震補強についてお話したので、今回は建築基準法による耐震補強についてお伝えいたします。
まず「建築基準法」とは、建築物の敷地構造・設備・用途に関する最低の基準を定めた法律です。建築物の安全を確保することにより、国民の生命・健康・財産の保護を図り、公共の福祉を増進させることを目的としています。
1950年に建築基準法が制定された後、1981年に建築基準法が改正され耐震基準についても見直されました。
そのため、1981年以前の建物は特に注意が必要になります。
〇旧耐震とは
1950年から1981年の改正以前の定義です。
震度5程度で家屋が倒壊しないというベースラインに基づいて、建物自重の20%に相当する震度でも建材が損傷を受けないことを条件とすることを制定していました。
〇新耐震とは
1981年の改正以降をいいます。震度基準を6~7に引き上げたガイドラインになります。
旧耐震に震度6以上の定義がなかったことに加え、1978年に起こった宮城県沖の震度5の地震で、7400戸もの家屋が倒壊したことから耐震規定が厳格化されました。
以上が、建築基準法においての耐震補強の考え方になります。
「伝統工法による耐震補強」と「建築基準法による耐震補強」の違いをまとめると、
〇伝統工法の耐震:普通の在来工法とは工法が異なるため、特有の補強方法を用いて施工する必要があり、伝統工法の注意点を理解して補強することが重要です。
〇建築基準法による耐震:建築基準法は新耐震に改正する前の基準が緩いため、そこを補強するための施工をすることが重要です。
地震が多い今、はやめはやめの対策が命を守る行動になります。
当社は全国規模の協会である古民家再生協会という協会に属しています。
そこで共有された知識を活かしながら技術を日々更新しております。
リノベーション・リフォームはぜひ当社にご連絡下さい。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。 🙂
「伝統工法による耐震補強」と「建築基準法による耐震補強」の違い ~その1~
こんにちは!
北陸に大きい台風が近づいているとのニュースがありましたので、皆様お気を付けください。 😥
さて、今回は「伝統工法による耐震補強」と「建築基準法による耐震補強」の違いについてシリーズに分けてご説明したいと思います。
まず、伝統工法についてご説明します。
そもそものお話、伝統工法は在来工法と特性が異なります。そのため、耐震補強は特別な配慮が必要になります。
基本的には、耐震補強の前に傷んだ箇所の補修を優先します。
伝統工法の構造は木組み・通し貫でつながっている建物のため、弱い所だけを補強すると全体のバランスが崩れてしまいます。
また、伝統工法耐震補強には禁じ手が3つございます。
1.筋交いを用いてはいけない
伝統工法は曲げ系の構造体です。筋交いの補強を用いると柱の曲げを抑えてしまうため、余計な応力を発生させてしまいます。
2.金物補強は行わない
仕口など接合部への金物補強も被災時に柱・梁の破壊を招いてしまいます。
弱い接合部だった場合、木組みにより粘りを持たせる補強を行います。
仕口が傷んでいる場合、部材の補修を行い組み直しを行います。
どうしても金物補修を行わなければならない時には、耐力の小さいものを使用します。
3.石場建てにアンカーボルトは使わない
石場建ての場合は、石場建てが免震要素のため、基礎補強などはせずにアンカーボルトも使わないようにします。
柱が傷んでいるときは柱に添え柱をするなどして補修し、同じく石場建てとします。
そして、伝統工法の耐震補強の手法は3つございます。
1.壁を増やす
既存の壁を近い強度で新たに壁を増やして耐震性を補います。
天井から床までの壁を作る方法や、腰壁・垂れ壁を増やす方法があります。
2.柱を増やす
柱の曲げ抵抗はかなり効果があります。添え柱も効果的です。
3.差鴨居・足固めの活用
できるだけ開放的な間取りにしたい場合、差し鴨居・足固めを用います。
ただし、この補強は柱仕口に応力が掛かるので柱太さに注意が必要で、柱に添え柱を行うか、差鴨居・足固めをあまり太くしない配慮が必要になります。
以上が、伝統工法による耐震方法でした。
次回は、建築基準法による耐震補強についてお話したいと思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。 🙂
そもそも古民家ってどういうもの!?
こんにちは!
私は、最近2級建築士の製図試験の本番が近づいていまして、勉強と仕事の両立を頑張っています。 😎
さて!本題ですが、古民家とはそもそもどういうものなのかちゃんと理解できている方は少ないかと思います。
今回は古民家とは何かお話したいと思います。
「古民家」という言葉は建築基準法には記載がなく、日本建築史や民俗学にその定義が見られます。
「民家」とは一般庶民が住まう建物を指し、支配階級の住まいと対比して、「民屋」と呼ばれることもあります。
民家は伝統的な様式で造られた「農家」や「漁家」「商家」や「町家」の類です。それに中級から下級武士の「侍屋敷」を含み、それらの中で特に年代の古いものを「古民家」と言います。
築年数による区分は民俗学的にはないので、本書では国の「登録有形文化財制度」に合わせ、建築後50年以上を経過した建物で、かつ骨組みに木材を使用した木造軸組み構法の「伝統構法」と呼ばれる建築基準法制定前に多く建築された住宅と、建築基準法制定後に一般的に建築される「在来工法」と呼ばれる住宅を「古民家」と定義しています。
伝統構法住宅のメリットはたくさんあります。
・夏を快適に過ごす先人の知恵が施されている
・地震の力を上手に逃がす免震的構造
・地産地消の循環型建築
・四季の移り変わりを感じ、自然との共生ができる空間
・自然素材使用による人体に安心な空間
・開放的な間取りによる地域とのコミュニケーションが取りやすい住宅
・可変性に優れた就寝一体の住宅
・来訪者を気持ちよく迎えられる考え方。
それに対し、デメリットもございます。
・気密性・断熱性の低さによる冬の寒さ
・現在のライフスタイルに合わない来訪者中心の家長主義的間取り
こういったデメリットを生まれ変わらせるものがリノベーションになります。
断熱工事をして暖かく過ごせるようにしたり、今のライフスタイルにあった間取りに変えたりと、お客様のご希望やご予算に合わせ提案いたします。
ご相談はお気軽にお問合せください。
当社のオープンハウスに電話が開通いたしましたのでお知らせします。
東保の家 電話番号:0763-77-4117
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。 🙂
伝統構法の耐震方法
こんにちは!
お盆休みも終わり、皆様いかがお過ごしでしょうか? 🙂
さて、今回は古民家の耐震についてのお話をしようと思います。
伝統構法の耐震改修を実施する際にはパネル型面格子壁や制震ダンパーと呼ばれるものなどを使用して免震的構造を活かした改修を行います。
1950年以前の古民家は伝統構法と呼ばれる建築工法で建てられており、地震時に揺れて地震の力を逃す免震的構造が特徴です。
現在の一般的な新築は、在来工法と呼ばれ、地震時にはできるだけ建物を揺らさない耐震的構造となっています。
伝統構法の耐震改修では免震的構造の建物を耐震的構造に改修することは建物の寿命そのものも短くすることにつながると考え、免震的構造を活かした再築基準による耐震改修を実施しています。
当社のオープンハウスである東保の家にも制震ダンパーを採用しております。
こちらのダンパーを計算により家全体に11か所入れました。
ダンパーが地震時に収縮することで建物が揺れすぎないように制震する役割を担っています。
こちらのダンパーを入れるメリットは、3つございます。
①繰り返しの地震に効果を発揮できることや、高い制震効果
阪神・淡路大震災を再現した実験においては、建物の揺れを吸収し、揺れ幅を約70%減少できたそうです。
東日本大震災においても、本震だけでなく繰り返し起こった地震にも効果を発揮し、翌日からも引き続き居住可能な状態だったそうです。
②メンテナンスフリー
使用しているオイルダンパーは住宅専用設計になります。
60年間想定の劣化促進試験においても性能が変わらないことを実証済みです。
中のオイル交換も必要ありません。
③低コストで設置可能・住まいの損傷リスクを大幅に軽減
その物件ごとのシュミレーションにより最適配置にて提案を行うため、低コストで高い制震効果を実現できます。
また、新築・改修ともに住まいの損傷を軽減し、補修費用の発生するリスクを大幅に軽減することができます。
さらに詳しい内容に関しましては、当社のオープンハウスである東保の家でご説明いたしますので、ぜひご予約お待ちしております。
今回もご覧いただきありがとうございました 😛
引用:古民家の調査と再築/川上幸生
東保の家がグランドオープンしました!
こんにちは!
皆様お盆休みはどうお過ごしでしょうか? 🙂
古民家をリノベーションした、「東保の家」が8月10日にグランドオープンしました。
2日間で、計54組ご来場いただきました。ご来場ありがとうございました。
今後もオープンハウスになるので、ご予約(電話番号:0763-77-4117、またはメール)でいつでもご来場いただけます。
今回のリノベーションは、去年夏頃社内で設計コンペを行い、リノベチームでの設計協議を行いました。
工事期間は約半年になります。
今回完成したオープンハウスは家全体をしっかりと断熱・耐震しております。
家全体をリノベーションせずとも、ご予算に合わせて主に住まう部分だけを断熱するということや、一部を耐震してシェルターにするということもできます。
ご見学いただいた方からは「勉強になりました」「素敵でした」というお声をたくさんいただけました。
私自身もご来場いただけた方への接客を通して学ばせていただいたことがたくさんあります。
今後もご来場お待ちしております。
今回もご覧いただきありがとうございました。
「質の高い睡眠」は温湿度コントロールが大事!
こんにちは!
もうすぐお盆休みが近づいてきましたね♪
さて、今回は気温と睡眠の関係性についてお話したいと思います。
夜もむしむしとした温度が続いていて寝苦しく感じている方もいるのではないでしょうか。
夏の睡眠でポイントになるのは、エアコンの使い方です。
どんなに高気密・高断熱な住宅でも、保温できる水筒をイメージしていただくと分かりやすいと思いますが、一度エアコンで涼しい状態にしなければいけません。
その温度を魔法瓶のように保冷できるのが高気密・高断熱住宅です。
エアコン冷房は空気中の水分を外へ放出し、気化熱によって冷却・除湿するという仕組みです。
「前半冷房」の場合、エアコンが切れると、温度とともに室内の湿度も高くなります。
熱帯夜にエアコンが切れると、換気により屋外から暖かく湿った空気が室内に入ってくるため、皮膚温が上がるだけでなく、汗も乾きにくくなります。
深部体温(直腸温)が上がり、寝苦しい状態に陥ってしまいます。
また、「後半冷房」では、睡眠中の脳波のリズムが崩れてしまうこともわかりました。
高気密・高断熱の住宅は夏はエアコンによりすぐ涼しくなりますし、冬はすぐに温まるので快適です。
タイマーをかけてエアコンを切っても温度を一定時間は保つことができるので節約にもつながります。
今お住まいのおうちを快適に、より住まいやすくリノベーションしてみてはいかがでしょうか?
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。 🙂
引用:「質の高い睡眠」は温湿度コントロールがカギ/都築和代
北欧と北陸は似ている?!~ヒュッゲによる豊かな暮らし~
こんにちは!
北陸も梅雨明けとなり、外にいると危険なほど暑くなりましたね。 😳
さて、今回は実は似ている北陸と北欧についてお話ししたいと思います。
当社は北欧思想が強い会社です。
新築では、スウェーデンハウスという輸入住宅も取り扱っております。
リノベーションでは、北欧と古民家の調和をコンセプトにしております。
なぜ、ここまで当社が北欧にこだわるのか…
その理由のひとつとして、北陸のくらしや気候が北欧とよく似ているから、ということが挙げられます。
冬は、雪が降ったり曇りの日が多く、寒い日が続き夜が長いこと。そして、暮らしやすさや幸福度が高いことが似ています。
北欧のデンマークには「ヒュッゲ」という習慣があります。
ヒュッゲとは、「ほっとくつろげる心地よい時間の過ごし方」や「その時間を過ごすことで生まれる幸福感や充実度を楽しむ暮らし方」のことです。
北欧の冬は日照時間がとても短く、だいたい4時間ほどです。そのため北欧の冬は、家での過ごし方を大切にしています。
ロウソクや暖炉、柔らかな照明の灯りで家族との時間を楽しんだり、友人とお酒を飲んでおしゃべりして暖かい部屋でゆったりと過ごします。
ヒュッゲのような暮らしは、お部屋のお部屋のインテリアや作り方を工夫することで、私たちの暮らしにも取り入れることができます。
例えば、薪ストーブがあります。
薪ストーブはエアコンと段違いに部屋を暖めてくれますし、ストーブのまわりに自然と家族が集まり、団らんの時間が生まれます。
また、ピザやマシュマロを焼いたりして楽しむこともできます。
私も実際に薪ストーブを使っているスウェーデンハウスのオーナーさんにお話しをうかがったことがあるのですが、機能的にも鑑賞用にもとてもストーブを気に入っていらっしゃいました。
また、北欧の人々は照明やインテリアの使い方も上手です。
照明は暖色系の間接照明の優しい光を取り入れて、暖かみやくつろぎを感じさせるようにしています。
皆様もおうちでのくらしを豊かにして、ヒュッゲという習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか? 🙂
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
引用:北陸でヒュッゲな暮らし/https://www.direct-co.com/column/439/
フルリノベーションした東保の家が完成間近です!
こんにちは!
もう8月に入り、本格的な夏が始まりましたね 😎
さて、今回は近々完成するフルリノベーションを行った「東保の家」について書きたいと思います!
東保の家は8月10日(土)にグランドオープンいたします。
残念ながら写真は掲載することができないので、ご来場いただいてのお楽しみになります 😥
先日ご近所の方には先行してご挨拶もかねてご招待いたしました。
東保の地域の方は本当にあたたかい方ばかりで、楽しくお話しさせていただきました 🙂
そして、興味津々に私共の案内を聞いて下さり、色々な所で「すごいね」「きれいになったね」というお声が聞こえました。
148年の歴史がある古民家ですので、ご近所の方は昔から家のことを知られていて、思い出に馳せていた方もいらっしゃいました。
ご近所の方いわく、この家は格が違うのだそうです。
たしかに「ワクノウチ」が立派ですし、今回減築を行うほど広い古民家でした。
リノベ後も、そのワクノウチをしっかり活かした空間がございます。
私はその空間が1番好きです。
畳が敷かれていて、ワクノウチにより天井が他と比べ高かったり、間接照明がまるで旅館のような高級さを演出しています。
ぜひ皆様にもご体感いただきたいです!
私たちは、北欧と古民家との調和をコンセプトにしております。
外観は山吹色という北欧でよく見かける黄色のような色を取り入れました。
また、LDKも北欧柄を取りいれたカーテンやクロスを採用しています。
なぜ北欧と古民家との調和なのか… と思われると思うのですが、
しっかりご説明させていただくと、ご納得いただける自信があります。
ご来場はいつでもお受付しております。
ご来場いただけた方には先着で、こちらのオリジナル手ぬぐいをプレゼントしております!
皆様のご予約のほどお待ちしております!
今回も最後までご覧いただきありがとうございました 😛
お気軽にいつでもご相談ください。