石場建て工法とは?
こんにちは!
9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。 😐
さて、今回は古民家特有の石場建て工法というものについてお話したいと思います。
伝統構法と在来工法の大きな違いとして、基礎部分の形状が挙げられます。
伝統構法は石場建て工法と呼ばれる自然石の上に柱を建てるものが使われ、在来工法はコンクリート製の布基礎の上に土台が敷かれており、その上に柱が建てられます。
日本の中世から近世まで、建物の基礎は石場建て(いしばだて)と呼ばれる自然石の上に柱を建てる方法が用いられてきました。
建物全体に盛り土をして周囲の地面より高く建て、中には石垣を築いて周囲よりもさらに1段高くし、その上に礎石を並べているものもあります。
自然石は表面に凹凸があるので柱の端部を自然石の形に合わせる光付け(ひかりつけ)と呼ばれる技術が使われます。
建物の基礎に石を使う方法を礎石造り(そせきづくり)といい、自然石のことを礎石といいます。
石場建て工法が使われる前は掘立柱建物と呼ばれる地面に穴を掘り、その下を突き詰めて柱を建てる方法が長く使われていました。
しかしこの方法だと、柱が地面から水を吸い上げてすぐに腐ってしまうので、それを克服するために石の上に柱を建てる方式がとられるようになりました。
掘立柱建物に比べ、柱と地面の間に自然石を入れる石場建て工法は湿気による木の腐敗を防ぐことができ建物の寿命を延ばすことが可能となりました。
昔の建物の礎石を詳しく調べてみると、表面が平らだと柱と礎石が簡単にずれるので、柱とかみ合わせるための工夫がされていることが分かります。
礎石の真ん中に突起を残しておき、柱の下の面を掘ってかみ合わせるか、
礎石の真ん中にくぼみを残して柱に突起をつけて組み合わせるなどの工夫がありました。
十字の溝を彫り水を逃がす工夫をしたものもあります。
奈良時代の建物は床がなく、礎石が人の目に直接触れるため特に表面はきれいに加工されています。
床が張られるようになると礎石が直接目に触れなくなり、自然石がそのままそのまま使われるようになりました。
基礎ひとつとっても歴史を重ねているということが分かりましたね♪
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
引用:古民家の調査と再築/川上幸生