古民家の間取りは地域で違う
古民家の間取りは地域で違う!
屋根の形に気候の影響が大きいことは前項で述べましたが、間取りには地域性や産業形態、信仰による違いがあります。中でも、主に地域の歴史と産業形態に左右された間取りは生活動線によって決定されます。
例えば、北海道ではチセがアイヌの代表的な民家ですが、形態は竪穴住居のままで、室内は中心に囲炉裏のある間仕切りのない土座住まいのワンルームです。狩猟が中心だったため、室内の作業スペースはなく一部屋に家族が集まり、、寝食を共にしました。
富山平野では、風林に囲われた東屋の散居村が美しい田園風景を創り出しています。
福井には、木づくりという仏間を中心とした間取りがあります。平面が木魚を叩く道木に似ています。浄土真宗が盛んな土地柄ですから、信仰に影響された民家です。
滋賀では、伊香型と言われる妻入民家があります。玄関が土間で奥に座敷があります。
上州と甲府や松本盆地には、養蚕との関係が深い民家が多く存在し、入り母屋の屋根に窓を開けた兜造りやせがい造りの屋根があります。間取りは四間取りです。
地域での特徴を知ることも面白いですね。