「伝統工法による耐震補強」と「建築基準法による耐震補強」の違い ~その1~

こんにちは!

北陸に大きい台風が近づいているとのニュースがありましたので、皆様お気を付けください。 😥 

 

さて、今回は「伝統工法による耐震補強」と「建築基準法による耐震補強」の違いについてシリーズに分けてご説明したいと思います。

 

まず、伝統工法についてご説明します。

そもそものお話、伝統工法は在来工法と特性が異なります。そのため、耐震補強は特別な配慮が必要になります。

基本的には、耐震補強の前に傷んだ箇所の補修を優先します。

伝統工法の構造は木組み・通し貫でつながっている建物のため、弱い所だけを補強すると全体のバランスが崩れてしまいます。

 

また、伝統工法耐震補強には禁じ手が3つございます。

1.筋交いを用いてはいけない

伝統工法は曲げ系の構造体です。筋交いの補強を用いると柱の曲げを抑えてしまうため、余計な応力を発生させてしまいます。

 

2.金物補強は行わない

仕口など接合部への金物補強も被災時に柱・梁の破壊を招いてしまいます。

弱い接合部だった場合、木組みにより粘りを持たせる補強を行います。

仕口が傷んでいる場合、部材の補修を行い組み直しを行います。

どうしても金物補修を行わなければならない時には、耐力の小さいものを使用します。

 

3.石場建てにアンカーボルトは使わない

石場建ての場合は、石場建てが免震要素のため、基礎補強などはせずにアンカーボルトも使わないようにします。

柱が傷んでいるときは柱に添え柱をするなどして補修し、同じく石場建てとします。

 

そして、伝統工法の耐震補強の手法は3つございます。

1.壁を増やす

既存の壁を近い強度で新たに壁を増やして耐震性を補います。

天井から床までの壁を作る方法や、腰壁・垂れ壁を増やす方法があります。

 

2.柱を増やす

柱の曲げ抵抗はかなり効果があります。添え柱も効果的です。

 

3.差鴨居・足固めの活用

できるだけ開放的な間取りにしたい場合、差し鴨居・足固めを用います。

ただし、この補強は柱仕口に応力が掛かるので柱太さに注意が必要で、柱に添え柱を行うか、差鴨居・足固めをあまり太くしない配慮が必要になります。

 

以上が、伝統工法による耐震方法でした。

次回は、建築基準法による耐震補強についてお話したいと思います。

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。 🙂 

 

 

 

 

 

 

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